導⼊事例

ほしおきガーデン星の子幼稚園 〜インクルーシブ保育〜【導入事例】
札幌の自然豊かなところにある認定こども園「星の子幼稚園」でのストーリーパークの導入についてご紹介します。

2023.05.19

導入事例、今回は、「ほしおきガーデン星の子幼稚園」をご紹介します。

今回はほしおきガーデン星の子幼稚園という、児童数が200人以上の幼保連携型認定こども園のストーリーパーク導入のお話しを共有していきたいと思います。

 

2022年7月11日に開催したストーリーパークのオンラインセミナー「子どもと共に育つアセスメント”ラーニングストーリー”〜インクルーシブへの営み〜」に、ゲストとして登壇していただいた星の子幼稚園の上村毅園長のお話しを元に、導入事例を紹介いたします。

 

星の子幼稚園のご紹介

星の子幼稚園は、札幌の自然豊かなところにある認定こども園です。海にも、川にも、山にも近く、秋には子どもたちと川に鮭を見に行くことが恒例になっているそうです。

 

そんな星の子幼稚園、実は2006年に療育手帳を持つ子どもが二人入園したことをきっかけに、インクルーシブ保育へと変化していきました。

 

この変化の影響で、子どもを肯定的な眼差しで見て評価をするラーニングストーリーを書き始め、その後デジタル化のためにストーリーパークの導入に繋がったと、上村園長がお話ししてくださいました。

 

 

ラーニングストーリーの導入

星の子幼稚園では、2013年に支援の子どもを対象としたラーニングストーリーの研究が始まりました。

 

始めは文字だけで書いていたラーニングストーリーも、

 

一年後には写真付きになり、その後はGoogleドライブで作成、保管、プリントをするようになったそうです。

 

上村園長はラーニングストーリーを通して学ぶことがたくさんあったとお話しされていました。

 

私がとくに印象に残ったのは、文章や声がけが肯定的になったことと、ラーニングストーリーは支援が必要な子どもだけではなく、全員に必要だと確信したということです。

 

ラーニングストーリーを描くことで肯定的なまなざしへ

 

以前は、子どもを評価する際に、「これができない」などと、否定的な文章が多かったのが、ラーニングストーリーを書くようになったことで、文章や子どもたちへの声がけが「こんなことができるようになった!」と、肯定的になったそうです

ラーニングストーリーは、できた・できないのチェックリストで子どもを評価するのではなく、子ども一人一人の学びのプロセスを重視しているため、肯定的な眼差しを持てるのだと、私は思っています。

 

上村園長は、

子どもたちを肯定的な眼差しで見ることで、子ども自身が「自分は認められている」、「人から求められている」と思えるようになり、自己肯定感を持ち始めるようになった

とお話しされていました。

 

また、「どんな子どもでも、自己肯定感を持つと劇的に変わる」

と語っており、ラーニングストーリーは子ども全員に必要なものだと思うようになったそうです。

 

ラーニングストーリーはどんな子どもにも必要!

「みんなと同じになるのではなく、みんなが違って良い」

 

上村園長は支援の必要な子どもたちを受け入れるインクルーシブ保育について、こう語られていました。

 

支援が必要だから他の子どもたちと違うのではなく、そもそも同じ人間はいない。「みんなが違っていていい」という考えは、子どもたちが自己肯定感を持ち、自分を大切にできるところから始まるのだと、上村園長のお話を聞いて思いました。

 

だからこそ、支援が必要な子どもも、そうでない子どもも、ラーニングストーリーの理念が必要なのだと感じました。

 

上村園長は、どんな子どもにも「自分っていいな」と思えるように、子どもたちにとって一番良い保育を追究してきたそうです。

 

星の子幼稚園でストーリーパークの導入

 

星の子幼稚園は、2018年に支援の必要な子どもたちにだけ書いていたラーニングストーリーを全員にかくことになりました。

 

その数年後の2021年に、ストーリーパークの存在を知り、「これは絶対使おう!」と感じてくださったそうです。

 

その理由として、以下の特徴をあげてくださいました:

 

  • 1

    保護者が動画や写真を保存できる

  • 2

    保護者も投稿できる

  • 3

    タグ付けができる

  • 4

    紙を使わない

  • 5

    コミュニケーションにタイムラグがない

 

ストーリーをあげる頻度

 

ストーリーパークを使用し始めた頃は、支援の必要がない子どもに対して一人月一回のストーリーを書き、支援の必要な子どもには週一回書いていたそうです。

 

しかし、この頻度だと先生に負担が多いと感じ、子ども全員に月一回書くように変更されました。

 

そして、月に7〜8回クラス活動をグループストーリーとして書き、その代わりにクラス便りは廃止されました。

 

ストーリーに載せる写真の数も全クラスで統一させるため、20枚までという園のルールを決めたそうです。

 

教育機関によってストーリーの書き方や書く頻度が異なりますので、このように園、先生、そして子どもに合ったストーリーパークの使用方法を見つけてくださり、とても嬉しく思います。

 

【追記】セミナー後、より先生方の負担を減らすために、ストーリーパークの運用を以下に変更されたと伺いました。

 

●文章20行以内、写真・動画は5~10枚

●子ども1人に対して、月1回作成(3・4月を除く)、長期休みの期間は2ヶ月に1回

●クラス全体の様子は、週2回作成

●行事前は、ストーリーパークの投稿数や写真枚数などを学年で話し合って決めて、管理職に報告

 

ストーリーの作成方法いろいろ

 

星の子幼稚園 年中の子どものラーニングストーリー例

 

年中の子どものストーリーを見せていただきました。

 

こちらのストーリーには複数のお写真が載せられていますが、「このように成長しているよ、できることが増えているよ」と、とても暖かい視線で撮られているのがよく分かります。

 

きっとお写真を撮られた先生も、成長を目の当たりにして嬉しくて、何回もシャッターを推していたのだろうと、勝手に感動させていただいております。

 

星の子幼稚園 グループのラーニングストーリー例

 

こちらはグループストーリーの例です。

 

クラス全員が写っているお写真を一番上に大きく載せていて、保護者に園の様子が伝わりやすいようにフォーマットされています。

 

「ラーニングタグ」を使って、その子がどの段階にいるのかを記録し、保護者と保育者で共有できると考えました。

 

右側の Comments の下に見られるのは保護者からのコメントです。上村園長はとても嬉しそうに「このように保護者からコメントいただいて、とても励みになる」とお話されていました。

 

ストーリーパークを使って見た上村園長の感想

まず最初に、子ども一人一人の過去を簡単に検索でき、ストーリーを確認できることが便利だと上村園長はおっしゃっていました。

 

紙式だとすぐに過去のストーリーが出てこないため、振り返りがしづらいので、検索ができるのはデジタルならではの特徴ですね!

 

また、ストーリーなどに対する保護者からの返事がすぐに見られて、とても励みになっているのもストーリーパークを使っていて良かったと思う瞬間だそうです。

 

保育者と保護者のコミュニケーションは子どもの成長を後押しする素晴らしい支えだと感じますので、このようにストーリーパークを使用して保護者とのコミュニケーションを楽しんでいらっしゃることに、とても感動しました。

 

今後もストーリーパークは、子どもの成長を支える保護者と保育者のお手伝いをしたいと思っております。

 

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